渡邉格(わたなべいたる)さんと、奥様麻里子さん夫妻が経営する天然酵母を使ったパン屋さんが鳥取県の山あいの街、智頭(ちず)という場所にあります。
以前は岡山県真庭市勝山という場所でパン屋を経営していましたが、天然酵母を使ったビールにも挑戦する為に、この地に移転されました。
渡邉さんの地元は千葉県。震災をきっかけにおいしいパンをつくれる場所を探し求めて岡山へ、そして今は鳥取で御家族と共にパン屋さんを経営。
渡邉さんは本も書かれています。著書田舎の『パン屋が見つけた「腐る経済」』は、日本のみならず今、海を越えて韓国、そして世界で注目されています。
若いころは音楽(パンクロック)に夢中になっていた渡邉さん。定職につかずに、その日暮らしのフリーター生活。
このままではいけないと大学に進学するも、卒業するころには30歳。
そんな渡邉さんが、パン屋さんのオーナーとなり、本を出版し、そしてなぜ今世界から注目を浴びているのか?
今日は、そんな渡邉さん夫妻とタルマーリーのパンの魅力について紹介したいと思います。
スポンサーリンク
渡邉格(わたなべいたる)さんのwiki風プロフィール
生年月日:1971年生まれ
出身:東京都東大和市
学歴:
一度、高校でドロップアウトを経験
パン屋ではなく、当時はパンクバンドをやりつつ、引越し屋のバイト
将来が見えず、不安にさいなまれる日々を過ごす。
23歳で大学教授の父と共にハンガリーへ
そして25歳で国立大学千葉大学園芸学部園芸経済学科に入学
職歴:有機農産物卸販売会社に就職するも、数々の理不尽を経験
いつか田舎暮らしをしたいという想いから、一念発起してパン職人を目指すため修業に出る。
現在の職業:パン屋さん「タルマーリー」のオーナー 兼 天然酵母と自然素材を用いたパン職人 兼 執筆者/著書「腐る経済」
パン屋タルマーリー開業までの軌跡
タルマーリーという名前のパン屋さん。
はじまりは、千葉県いすみ市。
震災を機に、岡山県真庭市勝山の地に家族と共に移り住み、新天地でタルマーリーの名でパン屋さんを再開します。
岡山県を選んだ理由は、東京まで一日で配送できる場所の限界が岡山だったから。
しかし、転居前に岡山県真庭市を訪れた渡邉夫妻は、真庭市の綺麗な空気、美味しい水に魅了されます。
この地なら、私達がこだわる天然酵母のおいしいパンが作れる。
天然酵母は、その土地、家に宿るもの。
美味しいパンをつくるには、この真庭という土地は渡邉さんにとって格好の地だったのです。
真庭市は岡山県の北部。
少しドライブすれば鳥取県を代表する山、大山(だいせん)にも近い。
県北最大の街、津山市からさらに車で30分ほどの、山陰の文化が色濃く残る山あいの街。
そこで古民家を借りて1階をパン屋、2回を住居にして子供達と家族4人での生活をはじめます。
渡邉さんは、パン屋として独立するまでに4軒のパン屋で修業をされました。
そのうちの一軒では、来る日も来る日もボロ雑巾のように朝から夜中までこき使われる日々だったそうです。
そして念願の独立。
千葉、そして真庭のお店を経て、
鳥取県智頭町に移転をされた渡邉さん御夫婦は、
新しく「タルマーリーイートインカフェ」のお店を出店し
毎日おいしいパンを焼いてらっしゃいます。
スポンサーリンク
「タルマーリーイートインカフェ」のレポート
タルマーリーの場所を紹介しておきます。
タルマーリーイートインカフェ
住所:〒689-1451
鳥取県八頭郡智頭町大字大背214番地1
TEL:0858-71-0106
定休日:火曜・水曜・木曜
https://goo.gl/maps/G1WFtt5KZSR2 (グーグルマップ/タルマーリー)
筆者も、渡邉さんの焼く美味しいパンが気になり、お店に足を運んできました。
中国道の津山ICから車で約30分
国道53号線を津山ICを出て鳥取方面へ右折
那岐山を左に見ながら北上
ループ橋を超えてしばらくいくと鳥取県智頭町
国道から智頭町の分かれ道を左折すると、川沿いに見えてくる小学校
その小学校の隣が「タルマーリーイートインカフェ」です。
なんと、元は幼稚園だった施設を現地の人達の協力のもとに
カフェに改装されて営業されています。
見た目はカフェ? それとも幼稚園?
かつて、たくさんの児童が遊んだとおもわれるブランコや滑り台がそのままに
建物はおしゃれなカフェに生まれ変わっていました。
大量生産・大量消費の資本主義に一石を投じた「腐る経済」の著者渡邉さん。
お金をかけて壊してから新しいカフェを建てるのではなく、すでにあるものを利用して生まれ変わらせる。
渡邉さんらしいですよね。
でも、中に入ってみると、何とも言えない良い雰囲気です。
児童達がお遊戯をした元教室が、おしゃれなカフェスペースに!
窓から外の景色を見ているのは、私の妻です。
薪ストーブと木のテーブル
小さい子供も安心してくつろげる部屋もあります。
手洗い場所はそのままに残されてました。
石窯
うちのチビくんも楽しんでました(笑)
こんな形もあるんだなぁ
どことなく懐かしくもあり、新鮮なカフェ。
昼時に訪問して、ブログの記事のための店内撮影を伺ったところ、
渡邉格さんご自身が、私たちのテーブルにわざわざ来てくださいました。
天然酵母を育ててカビを舐めて確かめることについてお聞きしたところ
渡邉さんはこう仰ってくださいました。
『みなさん、その話を聞いて凄く驚かれる方が多いんですけど僕らからしたら普通のことなんです。
実はカビって別に危険なものではなくて、そこらじゅうにあるものです。
人間の体には、もともと何百といわれる菌が住んでいます。
菌というとみなさん凄く怖いものと思われていますが、実は人間も数多くの菌があるからこそ健康を維持していけるんです。共生というやつですね。』
そういえば、渡邉さんの作るパンは、麹をつかってパン生地を発酵させています。
市販の大半のパンは、生産性をあげるためにイースト菌を使い、さらにそれの働きを促すイーストフードを使用します。
イーストフードというと、なんだか聞こえは良さ気な感じがしますが、イースト菌のために入れる添加物です。
外国ではイーストフードそのものが使用禁止となっている国が多いのに、日本ではパンの製造にだけは使用が許可されているという実はあまり安全とはいえないものが、一般的なパンには使用されているという話を10年ぐらい前に聞いたのを思い出しました。
それに比べて、渡邉さんのところでは、麹も天然のものを使い、材料も出来るだけ天然のものをこだわり厳選しています。
麹や菌は、天然のものです。
環境や、それを扱う人によっても変化します。
その店の建物に住み、定着する麹や菌。
だから渡邉さんは、良い麹、酵母が育める場所として
智頭という場所を選んだのだということを実感しました。
メニューを開いてみると
私はおすすめのイノシシ肉のバーガーを頼んでみましたが
あいにくバンズがもう売り切れてしまい、
サイドイッチ風にしていただきました。
妻は旬野菜とメキシカンオーロラソース ピタサンド
チビくんは牛乳のアイスを注文。
なによりも驚いたのは、水です。
セルフサービスでポットに置かれている水を一口飲んだら、その美味しさに思わず声が出てしまいました。
この水と、渡邉さんがこだわる酵母が、美味しいパンを生み出すのか・・・
食べた感想は、パンの感触が全然違うというところです。
店で売っているパンが、いかに食感や色あい、それに仕上がりが均一になるように調整されているものなのかが良くわかります。
歯ごたえ、風味、それらを醸しだす食感。
子供の時に、遠足でいったあるパン工房。
その時、お土産でもらった素朴なパン。
そのパンは、給食で出てくるコッペパンとは全く違い、
香ばしさ、歯ごたえがとても美味しかった。
その時の記憶を思い出すようなパンでした。
あぁ、本当に自然のままを生かすとパンはこうなるのかという感想でした。
せっかく訪問させていただいて、お話もさせていただいたのに
昼時でお忙しそうでしたので、渡邉さんの写真を撮れずじまいでした。
マガジンハウスさんのサイトから引用させていただきます。^^;
この写真通りの穏やかで優しい印象の渡邉さんでした^^
渡邉格さん著書の『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』
(執筆中)
追って更新していきます。
スポンサーリンク